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純潔のマリア12話「愛は、全てに勝つ」感想

純潔のマリア12話「愛は、全てに勝つ」感想です。


原作とは流れが大きく変わるものの、最終的に大団円。

11話で原作寄りに修正をかけてきたので最終回では原作通りで来るかなと思っていたので、
こうやって大幅に改変してくるのは予想外でした。

とは言え、ジョセフが自分が激情に駆られた事を悔いていた直後に
原作通りにミカエルに弓を引くのも流れとして不自然なものになるので、
ジョセフの見せ場がなくなってしまったのも致し方ない部分があるのかなと思います。

最後まで原作との比較になってしまいますが、
アニメ最終話においては「マリアが人々とどう調和を取って生きていくか、人々はマリアを認めるか」
という所を軸にしており、原作とはだいぶ主軸が変わった所に置かれていました。
それにあたって、人の意見を聞かないと一度は明言していたミカエルが
人々にマリアの評価を聞いて回るのは面白い改変でした。


物語の序盤と最終話での登場人物のあり方を比べると、多くの人物が何らかの形で変化……
というよりもむしろ逆転、倒錯を起こしているのが凄いと思いました。

物語の都合上、天上の教会も地上の教会もマリアの敵として描かざるを得なかったのですが、
最終話で大団円となったのはキリスト教で説いているところの「赦し」と「隣人愛」によるところが大きく、
キリスト教を物語上の悪に位置づけておいて、最後にそのキリスト教の説く善の概念でまとめるのは見事な作りだなと。

ベルナールは修道士でありながら、先進的すぎる思想に囚われて神や天使を否定する行動に走った結果塩にされてしまいます。
ガルファは自分がのし上がるために周囲を踏み台にすると言いながら、
最終的に親友のジョセフを失った事をもっとも悔やむ終わり方をしました。

この二人は「隣人愛」を実践せずに利己的な行動に走ったために望まない結末を迎えたとも取れ、
ある種の寓話的な示唆を含んでいる内容でもあります。

その他にも自分達の仲間に組み込もうとしたケルヌンノスがマリアに共に歩む事を誘われたり、
ミカエルが最後の裁定にあたって人間から話を聞いたりと、
誰もが「変わった」というのが暗に示されているというのが実に秀逸です。


1クールを終えて全体を見直してみると、見事としか言いようのない構成でした。
原作にアレンジを加えつつ破綻のない形に仕上がっており、
よくここまで綺麗に話の筋を再構築できたと感心するばかりです。

一方で、物語として非常に高い水準で整理されており、
かつ中世ヨーロッパやキリスト教についてのある程度の予備知識が要求されるので
視聴者の側から「ツッコミ」を入れる余地が少なく、
内容について語るには敷居が高かったという面はあったと思います。
視聴は継続してくれていても内容について「語る」事が難しかったのが盛り上がりにくかった要因なのかなと。


また、出演声優の熱演は私が知っているアニメの中でも最高レベルのものでした。
レギュラー陣は誰も違和感がない上に存在感がしっかりとあって、全員で高水準を維持していたように感じました。


ともあれ、これまでの金元寿子主演作品の中でも最高の完成度の出来だったと思います。
スタッフの皆様、出演者の皆様、お疲れ様でした。

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