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艦これアニメに見る「世界を広げる意思」について

艦隊これくしょん(以下、「艦これ」)のアニメを視聴していますが、
1話からどうも居心地の悪い違和感を感じていました。
3話を見て、そして知人と話をしてこの違和感の正体について考えがまとまったので書き出してみます。

本論に入る前に、自分の立ち位置についてあらかじめ書いておきます。

・艦これのアニメは3話まで見ました。
・ゲームの方は去年8月に開始したので大体半年程度です。
・ノベライズなど、他のメディア作品は読んでいません。

こういう立場の者が書いていると踏まえた上で続きをお願いします。


私が感じた違和感の正体ですが、これは一言で言えば「世界観を広げる意思がない」という事です。
ゲームにおいて明かされていない部分、見えなかった部分をアニメで開示し、
艦これの世界観を広げようとする動きが3話まででほとんど感じられませんでした。


ゲームで開示されている背景設定について


この事について話を進めるため、ゲームの艦これで開示されている背景世界について一度見直してみます。

そうすると、ゲームでは本当に最低限の情報しか与えられていない事が分かります。
まず、プレイヤー(提督)が指揮する艦娘の正体からしてハッキリとは明かされていません。

・彼女らの出自は何であるのか?
・なぜ彼女らだけ深海棲艦と戦うだけの力を持っているのか?
・敵と交戦して勝利すると艦娘がドロップする事があるがそれはなぜか?

と、根幹をなすあたりを語られずにぼかされています。
あまりに開示される情報が少ないため
「艦娘は人間と同じ背丈なのか? 本当は軍艦サイズなのではないか?」という疑問を持った人が出たくらいです。

味方がその調子なので、敵である「深海棲艦」も謎に包まれています。
ゲームで分かる情報は「世界中の制海権を奪いながら支配を広げる謎の勢力」というのみです。
この「謎の勢力」というのは、「鎮守府にとって不明な点が多い」というのではなく、
「鎮守府がこの勢力を『敵対している』以上にどう認識しているか情報が出ないのでプレイヤーにとって謎」という意味です。

また、艦娘の数は多いですが、登場人物をゲーム上の役目で分けると
「プレイヤーである提督」「味方ユニットの艦娘」「敵の深海棲艦」
「工廠(艦娘建造や装備品開発を行うところ)や装備品に出てくる妖精」のいずれかに区分されます。
背景の世界観を説明するための登場人物、
例えば鎮守府や武具の整備を行う非戦闘員(これは好意的に解釈すれば妖精がやっているのかもしれません)、
舞台装置としての軍の上層部の人間、民間船などは一切登場しません。
また、鎮守府と戦闘を行う海域以外のエリア(鎮守府のある町など)についても言及がありません。
さらには、ゲームを通しての「シナリオ」というものも存在しません。

こうして見直してみると、背景世界に関わる情報がほとんど明かされていないのが
艦これの一つの特徴であると言ってもいいのでしょう。

ゲームではこれらについてシステム上見せる機会がないという言い訳が成り立ちました。
ゲームの本筋はウォーシミュレーションであるので、
シナリオや周辺の人々についての設定を明かす必要はないとする考え方にも合理性はあります。
このように背景となる世界観がほとんど明かされていないため
解釈の余地が広がり、二次創作が盛り上がったとする意見もありますしそれは事実なのでしょう。


アニメで語られている背景設定について


さて、ゲームがこのようにして背景設定がほとんど描かれていないと再確認したところでアニメの方に目を向けてみると、
この特性をほぼそのまま引き継いで制作されている事に気付きます。

例えば、1話冒頭で吹雪が着任していましたが彼女はどこから来たのか?
例えば、そもそも艦娘とは一体どんな存在なのか?
例えば、鎮守府内に艦娘(あと一応提督)以外の姿が見えないが他の人間は存在しているのか?
他の人間の姿が一切見えないのに合コンの噂が立つのはどういう事なのか?

これらの背景はゲームでも明かされていない事ですが、アニメでも明かされていません。
アニメ化により追加で判明したのは次のあたりでしょうか。

・戦闘シーンがちゃんと描かれている。
 ゲームでは水上でどのように戦っているか不明だったのですが、
 映像化する事でそれについての答えは示されました。
・鎮守府が訓練学校の設備も持っており、ここで訓練している艦娘もいる
 ゲームでは鎮守府内で訓練するという概念がないためこれはアニメオリジナルです。

これも「世界観の背景が広がった」例ではあるのでしょうが、
ゲームにおいて説明不足であるのに対しての補完としては少なすぎます。

最初に書いたようにノベライズやコミカライズなど作品自体は読んでいませんが、
これらのマルチメディア展開した作品ではそれぞれが必要に応じて
独自設定を追加しているという話は知識として聞いております。
(ゆえに、それらの作品で何らかの設定が明かされた場合もその作品内の独自設定と注意する必要があるとも)

つまり他のマルチメディア展開においてはゲームで足りない設定部分を補っているのですが、
アニメだけこの補完作業を行わずに制作に入ったという事になります。
これにより、ゲームで不明だった所はアニメでも変わらず不明なままであり、
アニメ化したのにも関わらず世界観がほとんど広がらないという奇異な事態を招いています。

どのような勝算があってこんな方針を採用したのかは分かりませんが、
「ゲーム以上の背景設定開示は極力行わない」という制作方針があるのではないか、
というのは3話まで放送された現時点での仮説として十分に成り立つのではないかと思います。


これらからの今後の展開予測


では、もしこの仮説が正しいとして、かつ4話以降もこの制作方針に沿ったものが作られるとしたらどうなるか。
それはつまり、ゲームで謎だった諸要素が明かされる展開にはならない事を意味します。
艦娘の由来についても語られる事はなく、深海棲艦の正体も焦点にならず、両者の関係性も謎のままに。

3話で如月が轟沈しましたが、ゲーム準拠で考えれば轟沈されたら終わりであり、完全なロストです。
轟沈した後に深海棲艦化するのではないかという説もありますが、ゲーム中での言及はありません。
追悼のシーン程度はあるかもしれませんが、
「ゲーム以上の設定開示はしない」というルールがあるのなら轟沈された後の事が語られる事はないのでしょう。

「同じ艦娘のユニットが複数揃ってしまう」のは
今のソーシャルゲーム・ブラウザゲームでお約束になっていますが、
なぜこうなるかについてゲーム中では(作中の理屈では)語られていません。
それを作中の理屈で語れば狂気的な演出ができる可能性もありますが、
ここまで語ったように「ゲーム以上の事はしない」という考えでいるならこの選択はありえないはずです。

こんな感じで「ゲームやれば分かる以上の事は明かされない」というのはかなり強い制約になり、
今後の展開予想で考えられるパターンも限られるし、制作側にとっても大きな足枷になるはずです。
だから何故こんな方針を取る事にしたのか不可解で、思い違いであって欲しいとまだ思っています。


しかし、私は3話まで見た現段階でこのような考えを持つようになりました。
この考えが当たっているか誤っているか、それも気にしつつ1クール完走まではしたいと思います。

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