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ガルガンティアと虚淵玄の怪物性について

ガルガンティア3話の感想はすでに書きましたが、
そこから派生して本作の脚本家「虚淵玄」についての考察です。
ちょうど3話で、レドが人を殺さないまま話が終わったのでここがいいタイミングかなと。


虚淵玄という人物ですが、
主要な登場人物さえ容赦なく殺す脚本家という「イメージ」を持っています。
それゆえにこの翠星のガルガンティアという作品においても
虚淵氏が構成をしていると知る事で警戒されるようになりました。

3話での視聴者の捉え方の変化はまだはかりかねていますが、
少なくとも2話までは大いに警戒されていたと言って差し支えないでしょう。
実在をさておいて、怪物的なイメージが一人歩きをしているのが現状ではないかと思います。

興味深いのはこれがユーザ側のみのジョーク的な知識に留まっておらず、
制作サイドもこのイメージを理解しているという事です。

「翠星のガルガンティア」アニメ公式サイト|どうも、石川界人です!|第1回
『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その3)~前向きなストーリーと広がる海洋ロマン~ | トーキョーアニメニュース – TOKYO ANIME NEWS

いずれもインタビュアーが制作スタッフの人間に
「今回の虚淵は何を企んでいるか?」という質問をしています。
この他に、東京の先行上映会でも同じようにMCが
虚淵氏に対して「今回は死者がでるのか?」と質問する一幕がありました。

視聴者も制作側も虚淵玄という怪物的イメージを共有しており、
しかもそのイメージを前提として話をする事に何ら疑問を持っていません。
ある作家にここまで一方向のイメージが突出し、
かつ当然の共通認識として扱われるケースというのは稀かと思います。
一人の脚本家に対して放送前からこれだけ焦点が当たるのも特異な出来事です。


このように虚淵玄は恐れられるイメージを持っており、
さらにガルガンティアの制作スタッフもそれをすでに理解しているのですが、
それではそのイメージに対してどのように向き合うか、という所を考察してみます。

そもそもこのような怪物的なイメージが浸透した理由は何かと考えると、
やはり「魔法少女まどか☆マギカ」が原因だというのは疑いはないかと思います。

その当時はアニメファンの間では作風がまださほど浸透しておらず、
それゆえに3話で主要人物を殺して話を急転直下させた事に衝撃を受けました。
(これ以前に18禁ゲームで虚淵の名を知っている人からは既に警戒されていたようです)

この時は虚淵氏の作風を知らない人が多いためにこの不意打ちが成立したのですが、
今は制作者さえも話題にするのをためらわないほど知れ渡っており、
視聴者も同じ事をやらかす事を警戒しています。
まどかマギカとガルガンティアではこの部分が決定的に異なっています。
不意打ちは予測されていないから不意打ちなのであって、
予測されているのに同じ事をやってもインパクトがありません。
これだけ警戒されているのに敢えて主要人物を殺す脚本を書くか?
とまず状況的に疑問を感じます。

また、3話までの構成を見てもまどかとは対照的なものになっています。
まどかでは3話で先輩の魔法少女の「死」に直面するのですが、
その瞬間までずっと「死」を連想させる表現は避けてきました。
まさに不意打ちのため、視聴者に予想させないために。

ひるがえってガルガンティアを見てみると。
1話で宇宙戦争で大勢の人が死に、2話でも海賊を殲滅しています。
「死」は演出的に隠れず常にレドの傍にあります。
ただし、1話と2話で死者の規模を比べると、2話の方が小さくなっています。
つまり「死」のイメージを徐々に縮めていく狙いがあり、そして3話で不殺を貫く収束させました。
これは今回は「人の死」を膨らませて話を作る気がないという意思表明に等しいかと。
(正直、3話は「死」を収束させる事に焦りすぎて説得力を欠く構成になってしまったと思ってます)

余談ですが、メイン脚本が虚淵氏でなければここまで「死」を
慎重に取り扱うような事はしなかったのではないかと思います。
虚淵氏のイメージが大きすぎるがゆえに
これだけ描写に時間をかけないと納得してもらえないとの判断があった、
と考えるのは穿ちすぎでしょうか。

という事で、ガルガンティアのスタッフは「虚淵玄のイメージ」を百も承知で、
その上でそれを払拭させるべく気を払っているのが3話までの構成ではないかと。
それはつまり、「主要人物は死なない」というのが
偽りではないだろうというのが私の見方です。


……これらが全て視聴者を信頼させるための遠大な作戦だったら私の負けです。

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